映画「奇談」2005年11月24日 18時53分21秒

 今日は梅田ブルク7にて「奇談」鑑賞。1300円で前売り券を買って観るのは久しぶり。梅田ブルク7は新しく出来ただけあって、椅子も良く、前の人の頭部も邪魔にならない程の勾配があります。多分、大阪市内で一番見やすいスクリーンと思います。(その次は敷島シネポップかな?)

 しかし、松竹が6割以上も出資しているはずなのに株主優待の対象映画館にはなってません。逆に東映の株主優待券で東映配給の邦画が観られるようになってます。松竹の株主優待の対象にもなって欲しいな・・・

 さて、肝心の映画です。この映画、ホラー映画というよりミステリー映画、そしてダヴィンチ・コードばりのキリスト教を題材とした歴史推理映画のようでもありました。

 大学院生として民俗学を研究する佐伯里美(藤澤恵麻)は、幼い頃に隠れキリシタンの里として知られる東北の村で同じ年の少年と共に神隠しに遭った経験がある。

 里美だけが生還したが、少年は行方不明のまま16年過ぎていた。里美には、その間の記憶だけががない。それが、最近、不思議な夢を頻繁に見るようになるとともに、その村がダム建設により水没することになることを知る。

 子供の頃の失われた記憶を求めて、ふたたびこの村を訪れる里美と、そこで出会った考古学者・稗田礼二郎(阿部寛)の前に次々とおこる不思議な事象・・・

といった展開なのですが、結構楽しめました。帰りにはパンフレット(600円)も買ってしまいました。

 パンフレットによると、この原作が1976年に「少年ジャンプ」で発表された諸星大二郎氏の漫画であると知り、30年近く前にこんなにすごい漫画がでていたなんてと、再度感心した次第。

 聖書において”アダム”は「知恵の木の実」を食べたことで楽園から追放されたのに対し、聖書異伝「世界開始の科の御伝え」における”じゅすへる”は「知恵の木の実」ではなく、「生命の木の実」を食べたため、永遠の命を手に入れる。

 しかし、「知恵の実」を食べていないため7才程度の知能しか持たず、しかも地上が不死身の体を持つ彼らであふれることを恐れた神が、ある時期がくると彼らを地獄のようなところに引き入れ呪いをかけているという。

 「はなれ」といわれる地域に住む彼らは、そこで”彼らのキリスト”による救済を待っているという、結構スケールの大きな設定になってます。

 上映映画館が少なそうですので、ヒットは難しそうですが、観てみる価値はあると思います。ただし、ある程度聖書の基礎知識があったほうが良いかも知れません。

 「天花」では大根役者ぶりを十分発揮してくれた藤澤恵麻さんですが、本作ではかなり成長の後がみられたのも収穫のひとつかな。 そして、阿部寛さんは、トリックとは全く違った役どころでしたが、あのめがねとともに生真面目な役も似合ってました。

この映画はある意味いろいろなことを考えさせてくれました。原作者は聖書の正典、外典、偽書だけでなく、カバラ等の密教にも詳しい方なのかも知れませんね。

 映画鑑賞後、今日の終値を確認すると、日経平均は34円高の14,742円でしたが、「住友鉱山」46円安、「オリコ」10円安、「みずほ」11,000円安などが響いて、「クラレ」31円高も追いつかず、評価総資産残高は前日比97万円安となりました。